カミーノ上の世界遺産(1) スペインには世界遺産が45選あり世界遺産保有数3番目の国と言うことです。ポルトガルには17の世界遺産があります。スペイン国内には網の目状にカミーノがあるので、その途上には沢山の世界遺産があります。その中から私が実際に訪れたり近づいたり(?)したことのある世界遺産を紹介します。もしサンチャゴ巡礼を計画している方が居ましたら、巡礼の途中に寄れるかも知れないので参考にして貰えると嬉しいです。 ◎スペインの世界遺産 □巡礼の前後で訪れた世界遺産 ・コルドバ メスキータほか 銀の道の出発地はセビージャなので、日本から飛行機で降り立ったマドリッドからセビージャへ行く途中にコルドバがあるから、途中で一泊して世界遺産メスキータをはじめ、ローマ橋やアルカサルなどを見物しました。 写真はコルドバにあった城門ですが、メスキータやアラブ人街などはこの中にありました。驚くほどちっさい「花の小道」もこの中にあります。メスキータは更にこの中の塀の中にありました。 メスキータ メスキータは朝の内なら無料で入ることができますが、大きな荷物を持っては入れません。内部は想像の数倍の広さがあって、さすが世界遺産と思いました。コルドバはメスキータだけ見に寄ったので来た甲斐がありました。 ・トレド 「もし、1日しかスペインに居られないのならトレドへ行け」と言われるくらい有名な「古都トレド」は1986年に世界文化遺産として登録されました。街全体が博物館と言われるくらい歴史的建造物が美しい町でした。 展望台行くまでの景色 2016年の巡礼が終わった後に訪れて2泊しました。トレド駅に降りて有名な展望台まで歩いて行きましたが、この間のハイキングルートがトレドで一番感激しました。まるで中世の世界そのものを歩いている感覚になったんですよ。これ以上の感激はトレド市内ではありませんでした。もしトレドに行く人がいたら、ここは歩くに限ります。 ・ガウディ スペインと言えばガウティと言うくらいスペインを代表するものですが、そのガウディの作品のうち7つが世界文化遺産として登録されています。 2016年、巡礼の帰りに訪れたバルセロナでは4泊しましたが「サグラダ・ファミリア」と「グエル公園」「サン・パウ病院」にはお金を払って入りましたが、「カサ・バトリョ」などは入っていません。入場料がめたくそ高かったので。2019年は巡礼を始める前にバルセロナを訪れましたが、2泊したのに相変わらず入場料の高い施設には入りませんでした。地元にはありがたくない観光客ですね。 サグラダ大にぎわい 2016年、チケット売り場に行って係員に聞いてみてもネットで買えの一点張りなので万事休す。人対人なら何とかなるものでも、ネットだとスペイン語か英語だけだろ!?私には買えないんじゃないかな。ダメなら入場は断念するかと、この時点で半分は諦めました。 サグラダチケット でもネットでチケットの買い方を検索したら、日本の方が親切にガイドしてくれたサイトを見つけたので、案内の通りに進めたら何てことなく買えてしまいました。教えてくれた方ありがとうございました。 中に入ると光の洪水のような内部に感激しました。これは諦めなくて本当に良かったと思いました。重ね重ねネットでガイドしてくれた方に感謝です。 サン・パウ病院1 サン・パウ病院はガウディではありませんが世界遺産です。2009年に閉鎖されるまで現役の病院だったそうなので、こんな所で療養したら退院したくなくなるんじゃないのかなと思いました。病院なのにまるでテーマパークみたいなんですよ。 私はバルセロナでもひたすら歩いて観光しまくったので、グエル公園はホステルからは4キロ離れていましたが歩きで行きました。サグラダ・ファミリアの横を通ってグエル公園に向かう途中にサン・パウ病院がありました。ここは見物する予定ではなかったのですが、丁度開館時間だったのとシニア割引があったので入ってみました。最初の入場者だったので誰も居ない館内をのんびり見ることができました。 グエルチケット グエル公園のチケットもネットで教わって買うことができました。親切に買い方のサイトを立ち上げてくれた方に感謝です。 よだれを垂らしているトカゲ グエル公園への道筋は地図で見ると複雑でしたが、いつものように近くに行けば何とかなると思ったので心配はしませんでした。まぁその通りだったです、世界的に有名な場所ですから近づいて行くと観光客が沢山グエル公園に向かって歩いていました。帰り道もGPSが旨い具合に働いてくれたので迷うことなくホステルに帰ることができました。 ◎フランス人の道上にある世界遺産 ・アタプエルカ遺跡 世界遺産アタプエルカの古代遺跡は、2000年に世界遺産に登録されました。ここからは旧人類から青銅器時代まで様々な遺跡が採掘されていて、現在でも発掘が続いているようです。ヨーロッパ最古と言われる出土品や約35万年前の人骨などまだまだ新しい発見が期待できます。私は遺跡の看板を横目で見て訪れはしませんでした。巡礼路からは2・3キロ外れるのが嫌だったので。 ・バルセロナ以外のガウディ作品 世界遺産としては登録されてませんが、フランス人の道上にはレオンとアストルガにガウディの建築が残っています。レオンにある「カサ・ボティネス」は私が訪れた2015年は確か銀行として営業していたと思います。それで中に入るのは最初から諦めてました。 レオンのカテドラル それより前の広場でワイン祭りをやっていたので、そっちの方が面白かったです。折角だからワインを飲んでやろうとお店のおば様にお願いしたところ、支払いはセンターで集中管理してると言われて行ってみたら丁度店じまいした所でした。それで再度おば様に「閉まったよ」と伝えたらワインブースに連れって無料で一杯飲ませて貰えました。冷えたロゼでとっても美味しかった。 レオンのガウディ(ワイン会場) 2018年にもレオンを訪れましたが、ガウディの建物はこの時、内部を一般公開していることを知らなかったので、やっぱり最初から入る気がなかったので惜しいことをしました。 ・アストルガのガウディ アストルガのガウディ建築は、司教館として作られましたが、余りの奇抜さに司教は住むのを止めたと言う逸話が残っている建物です。その後、巡礼博物館として一般公開されています。 2015年に入ろうとした時は運悪く休館日で、翌日の開館時間は遅すぎて泣く泣く通り過ぎた経緯があります。ここは是非見たかったので、とても残念でした。しかし2018年は見事リベンジができました。 巡礼博物館なのに、中にはサグラダ・ファミリアコーナーがでかでかと展示してあって、まるでこっちがメインのような取り扱いでした。展示の方向性間違ってないかと思いました。アストルガはフランス人の道だけでなく、銀の道が交差する町でもあります。 ・ブルゴス大聖堂 セビリア、トレド大聖堂と並びスペインのゴシック建築の最高峰と言われているブルゴス大聖堂です。ここにはレコンキスタの英雄エル・シドの墓があるそうなので探しましたが結局見つけられませんでした。 ここって三脚とフラッシュは禁止だけど撮影自体はオーケーでした。何でもどこでもカメラ禁止が当たり前の日本から来ると、スペインは太っ腹と感じます。入場料はクレデンシャルを見せると半額になりました。 ◎北の道にある世界遺産 ・ビスカヤ橋 ビルバオの西側ポルトガレテに世界遺産のビスカヤ橋があります。エッフェル塔で有名な建築家ギュスターヴ・エッフェルの弟子アルベルト・パラシオによって設計され、1893年に完成しました。現在でも橋からつり下げた長細いゴンドラに人と車を乗せて対岸に渡してくれています。 2016年にこの近くを歩いたのですが、期待していたビスカヤ橋は見られませんでした。でも、2019年は巡礼路が変わっていたので近くまで行くことができました。あと5分10分歩けば有名なゴンドラに乗れたのですが、それが面倒なので写真だけ撮って素通りしてしまいました。こういうのは後で必ず後悔します。 ・アルタミラ洞窟 スペイン北部のアルタミラにある世界遺産「アルタミラ洞窟」。ここには旧石器時代のマドレーヌ期に描かれた動物中心の洞窟画があります。ここは巡礼路から2・3キロ離れた山の中にあるのですが、ここだけは面倒がらずに見に行こうと出発前から決意していました(おおげさ)。 ただ、発見当初は中に入れて見学させていましたが、大勢の人が入ったために洞窟の劣化が始まったので近くに寸分違わぬレプリカ洞窟を作って、現在はそっちに入場させています。ちょっと何だがなですが雰囲気は感じました。洞内のアナウンスも説明板も全てスペイン語ですが、壁画が見られれば満足なので気になりません。 アルタミラ洞窟博物館 洞窟の外は博物館になっていて、当時の生活の模様やどうやって壁画を描いたのかの道具などが展示されていました。色んな道具を工夫して描かれたのが分かりました。石器時代の人間が描いたものだから落書き程度の稚拙なのを想像していましたが、絵はすっごく上手に描かれていました。もしかして選ばれた専門の人がいたのかな? ◎銀の道にある世界遺産 ・セビージャの世界遺産 セビージャカテドラル、アルカサル、インディアス古文書館などの世界遺産がセビージャにはあります。私は大本命のカテドラルしか訪れませんでしたが、スペインで最も大きい大聖堂はもの凄かったです。 コロンブスの棺 ここにはコロンブスの棺があることで有名です。棺は当時の四人の王様が担いでいるので、いかにコロンブスがスペインに富をせっせと運んだのかが分かります。でもそれって他国からかっぱらって来たってことですけどね。蹂躙された国から見たら悪の権化でしょう。コロンブスの正体は奴隷商人で、未開拓の住民を200万とも300万人とも虐殺したようです。いつかスペインもコロンブスを恥じる時が来ると思います。 ・メリダ メリダの考古遺産群は、1993年に登録された世界遺産です。紀元前25年にローマ人の植民地として建設された都市で、今も多くの遺跡が残されています。街中には29にも及ぶ遺跡群があり、特にローマ劇場や円形闘技場など1つの街に世界遺産の見所がたくさん詰まっています。 メリダのローマ橋 スペイン最長のローマ橋もこの街にあります。カミーノを辿っていくと、このローマ時代の橋に辿り着きます。公営アルベルゲは橋を渡りきったら左に折れて進んだ所にあります。 メリダの砦跡 地下の水源 橋を渡った先にはローマ時代の砦跡があって、ここだけは入場料を払って入ってみましたが、他に沢山ある遺跡は面倒がって訪れませんでした。コロナが終息したら再度訪れる計画があるので、その時は沢山あるローマ遺跡を片ぱしから見てやろうと思っています。 メリダの水道橋と人造湖 メリダで一泊して歩き出したら、運良くローマ時代の水道橋がカミーノ沿いにありました。偶然に見られてラッキーでした。更に進んでいくと、ローマ時代に作られた巨大な人造湖の脇をカミーノは貫いていました。凄く大きな人造湖でしたが、何でも作ってしまうローマ時代ですから、さもありなんでした。 ・カセレス 世界遺産カセレス旧市街。ここは紀元前25年に古代ローマ人によって建設された街です。世界遺産として建築物も登録されていますが、街全体が中世のような雰囲気を保っているため、街歩きを楽しみたい世界遺産です。 2019年暮れに日本のテレビで放送された「職人ワゴン」と言う番組でカセレスが登場しました。カセレスで世界遺産になっているカラバル邸の建具や調度品を日本の職人技で修理した番組でした。次にカセレスを訪れたらこの写真を持ってカラバル邸を訪れて職人が直した所を見せて貰いたいと思っています。 ・サラマンカ 1988年に世界遺産として登録された「サラマンカの旧市街」。千年の歴史があるサンチャゴの道ですから、公営アルベルゲはこの歴史的な一角にありました。サラマンカでは休養と観光兼ねて連泊しました。 サラマンカ大学(らしい) この街にあるスペイン最古の大学「サラマンカ大学」は「知識を欲する者はサラマンカへ行け」と言われるほどスペインで有名な総合大学です。そのほか新旧のサラマンカ大聖堂は、ロマネスク式とゴシック式建築を見ることができます。 貝の家 中には貝の家と呼ばれる帆立貝を外壁にびっしりと埋め込んだ珍しい建物もあり、スペインの建築物を巡りたい方におすすめの世界遺産です。 翌日のサラマンカ脱出ルートはここから 大都市サラマンカからの脱出ルートですが、マヨール広場でぐだぐだしていたら偶然カミーノのプレートを見つけました。正面の建物中心のゲートをくぐって進めば良かったです。大きな街に入るとカミーノを見失うことが良くあるので、翌日のカミーノの確認は大事です。 「カミーノ上の世界遺産(2)」に続きます |